モンゴルの遊牧民の結婚

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古来よりモンゴル人にとって結婚式は、新郎新婦に幸運をもたらす重要な儀式でした。昔は、結婚式には守らなければならない厳格な決まりがありました。例えば、結婚式は決まった時間に始めなければならないし、歌ってはいけない歌があります。髪型ひとつにしても、結婚していない若い女性が髪を24の部分に分けて編むのに対して、結婚している女性は髪を大きく2つに分けて編みます。既婚女性と未婚女性の編み込みにはいくつかの特徴があり、編み込みによって婚姻状態を表すことができます。

結婚式の習慣は地域や民族によって異なるので、ここでは最も広く受け入れられている習慣を紹介します。

婚約を記念する品物

新郎は婚約の証として新婦へ婚約を記念する品物を贈ります。中西部ハルク(モンゴルの主要な民族)の場合、新郎側は5、7、9頭の奇数の家畜の群れを贈りますが、群れの数は新婦側が決めます。婚約の群れの数は、新郎側の資産によって決まります。

婚約記念品には、調和、結束の象徴である「のり」、障害物を取り除く象徴である「やすり」、火がつくものの象徴である「シリコン」(火は永遠、成長、富、成功のイメージ)などがあります。

花嫁に結婚を申し込む儀式

婚約の日には、両者でささやかな祝宴を開き、同居を開始する日を決めます。通常、婚約日から3ヶ月から6ヶ月以内となり、3~6ヶ月は後ろ倒しになることがあります。この後ろ倒し期間は若いカップルにとって試練となります。

若いカップルの結婚式の前にはゲルを建てるのですが、伝統では新婦側が家具を準備し、新郎側がゲルの準備をすることになっています。

結婚式

儀式が始まると、花嫁に付き添う二人の侍女が花嫁を義父のもとに案内し、ゲルの南東側にある白いフェルトの上に座らせます。この時、花嫁は両手に白い木綿の袋を持ち、五色の絹織物、バターを火に捧げ、正面で3回お辞儀をします。

結婚式では、新郎が火をつけ、新婦が一人でお茶を入れ、お客に振る舞います。その後、銀の指輪を交換します。最初の火は花嫁が点けたもので、「父から受け継いだこの火を永遠に絶やさず、交換した指輪で私たちはひとつに結ばれる」という意味が込められています。

結婚式の日から1ヵ月以内は、花嫁は実家には帰りません。しかし、父親は3日後に娘のところへ戻ってきます。1ヵ月後、夫が妻の持参金に対して贈り物を返すと、花嫁はお客として父親のところに行くことが許されます。

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