モンゴルにおける馬の文化

モンゴルにおける馬の文化

モンゴル人は何千年も前から遊牧民として、狩猟、戦争、遊牧生活、交通、郵便など幅広く馬を利用しており、彼らにとって生活に欠かせない存在となっています。馬は、人間の忠実な伴侶として崇め奉られています。

モンゴルで馬がいつから乗馬に使われるようになったかは不明ですが、考古学的な研究により、紀元前2千年前に馬が家畜化されたことが判明しています。遊牧民は、それぞれのニーズに合わせてさまざまな装備を開発し、継承してきました。モンゴルの青銅器時代初期のペトログリフには、馬、騎手、戦車などが描かれており、馬が交通や日常生活に利用されてきたことを示す最古の遺産として知られています。

モンゴル国立博物館に所蔵されているホフド県マンハン郡、ヌヘン・ハダン、ジャルガラント・ハイルハンで発見された鞍杖、ペダル、鞭はテュルク族時代のものです。

　モンゴルで30基以上見つかっているテュルク族時代の墓からは、馬が所有者と一緒に埋葬されていたことがわかります。

モンゴル人は馬を大切にするため、鞍、手綱、鞭は銀、銅、真鍮で作られ、馬の装飾と同時に、男性の富を誇示するために使われています。馬具の種類や装飾は地域によって様々で、バトノロフ、ダリガンガ、ダライチョインホル、フレー、ノヨン・セブレイ、アルチュールなど、長年にわたって確立した地域の特色や職人の技がよく知られています。

モンゴルでは、男の子が13歳になると、新しい鞍と手綱を贈る習慣があります。これは、子供が一人前になることを象徴しています。今でも、娘が結婚するときには新しい鞍を持たせる風習もあります。鞍は用途や機能によって、男性用、女性用、子供用、老人用、競走馬用、さらに日常用、装飾用に分類されます。手綱には、簡素なものと装飾的なものがあります。古来、モンゴルでは手綱に金、銀、銅、真鍮などの装飾を施しました。

馬への焼印はモンゴル遊牧民のシンボルであり、各部族は焼印によって自分たちの馬であることを区別しています。馬の焼印は、モンゴルの十二支のカレンダーに沿った特定の日に行わなければならない、非常に厳格な儀式です。焼印の儀式の後、馬は牛乳に浸され、清められます。