モンゴル料理というと、まず何を思い浮かべるでしょうか。おそらく、「モンゴリアンバーベキュー」と答える方がいるかもしれませんが、これは本当のモンゴル風ではありません。実は、モンゴリアンバーベキューとは、台湾のコメディアンでレストラン経営者の呉兆南が考案した料理の名前なのです。当初、彼は自分のレストランを「北京バーベキュー」と名付けようとしましたが、政治的な問題から「モンゴルリアンバーベキュー」と名付けました。
モンゴル人にとっては、中国やアメリカで広く知られているモンゴリアンバーベキューは、台湾の人が作ったもので、決して国民的料理ではないのです。
今回は、モンゴル人の目から見た本当のモンゴリアンバーベキューとは何かということについて考えてみたいと思います。
モンゴル好きの方なら「ホルホグ」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、そうでない方には、この記事で「ホルホグ」がどんなものなのかご説明します。
モンゴルの伝統的なバーベキュー料理であるホルホグ。ホルホグは「ボードグ」に似た肉料理です。ホルホグとボードグは作り方が大体同じです。
材料：肉、にんじん、塩、水、たまねぎ、にんにく、じゃがいも（その他お好みの調味料、野菜など）
作り方：一般的にホルホグは、密閉された鍋の中で白熱石によって調理される料理です。ヤギや羊の肉は食べやすい大きさに切り分け、バラバラにします。石選びは重要で、高温の火でも崩れないような密度の高い石、水分が少ない石、角が尖っていない石を選びます。石を選んだら家畜の糞や薪の上に置き、加熱します。
大きな金属製の樽にバラバラにした肉を入れ、少量の水と熱した石と野菜を上に乗せます。肉、野菜、熱した石を交互に入れ、鍋が一杯になったらしっかり閉めます。また、塩、玉ねぎ、にんにく、じゃがいも、にんじんをお好みで入れます。
調理中は、容器内に高い蒸気圧がかかり、蓋を締めないと高温の蒸気が噴射されたり、爆発したりすることがあるので、特に注意が必要です。
容器や鍋の蓋は、蒸気が外に出るような小さな隙間を作ります。また鍋の中の肉を調理する際は、頻繁に揺する必要があります。
そして、薪の火にかけ、容器に熱い灰をかぶせます。地域によっては、ホルホグをよりおいしくするためにアルコールを加えることもあります。
ホルホグの熱い石を手に持って匂いを嗅ぐと、疲れが取れ、血行が良くなると言われています。
ホルホグには、どんな肉でも使うことができます。金属製の鍋がなかった時代には、動物の胃袋の中で調理されていました。
